出典(トップ画像):Milton Markets
Milton Marketsの概要
Milton Markets(Milton Markets Ltd.)は2016年にFXサービスをオープンさせたばかりのまだ新しい海外FX業者です。
「Milton Markets所在地」(バヌアツ)
2nd Floor, Transpacific Haus
Lini Highway
Port Vila, Vanuatu
*ニューヨーク本社
85 Broad St, 16th Fl.
New York, New York, 10004
不祥事を起こしていた過去
比較的新しい海外FX業者ではありますが、その実態は非常に分かりやすいものです。ただし、いい意味での分かりやすさではない所が難点です。
元々Milton Marketsは「ギャラント・キャピタル・マーケッツ」(GCM)というFX会社のサービスだったのですが、このGCMは2017年4月に破産申請を出しております。
「Gallant Capital Marketsが破産申告」
Breaking: Gallant Capital Markets Files for Bankruptcy Protection
出典:Finance Magnates
GCMはイギリスの金融ライセンスでその取得が難しいとされる「FSA」を取っているなど本来は非常に優秀で信頼のおける企業でありました。
しかし、顧客から集めた資金を本業であるFXサービスとは無関係な金融商品等へ無断に転用していたり、同社が定めた利用規約やFSAの規定に反する様々なずさんな営業を繰り返していたのです。
その中で資金繰りに困ってしまうのは自然の流れでもあり、しまいには顧客資金の出金を拒否するようになっていきました。
またGCMはこういった不正・詐欺行為によって代表者が逮捕されるという事態に至り、現在では同社ウェブサイトも閉鎖状態となっております。
現在はMilton Markets Ltd.名義でFXサービスを行っていますが、たった数年間の営業の中ですでに上記のような事態が発生しており、もはやこれ以上Milton Marketsについてどうこう言う意味が無いかもしれません。
Milton Marketsの安全性
ライセンス
Milton Marketsのウェブサイト(問い合わせページ)には「VFSC Regulated #40370」という記載があるのですが、このVFSCとは「バヌアツ金融サービス委員会」のことで、つまりMilton Marketsはこのライセンスを取得していると言っているのです。
ところが実際にVFSCサイトにてMilton Marketsを検索してみますと、登録がありません!
出典: Vanuatu Financial Services Commission
上の画像はその検索結果で、赤い囲み部分にそれらしき業者名が出てくるのですが詳細を見ますと別会社と思われ、さらに登録状態が「Dissolved」(解除・解消)となっており、VFSCのライセンスを取得している状態ではありません。
ちなみにTitan FXという海外FX業者を検索してみますと下の画像のようにヒットします。
出典: Vanuatu Financial Services Commission
(詳細画面)
冒頭でお話ししたような出金拒否や不正行為・倒産といった末路に至った存在が、無ライセンスであることに不自然さを感じるものではありません。
現在においても当社の信頼性や安全性には疑問がつきまとうものであります。
分別保管
ウェブサイトにおいては下記リンクにおいて顧客資金とMilton Marketsの運営資金を混同させず分別保管がなされていると述べております。
出典:Milton Markets
説明文はそれなりに力を入れた雰囲気があるのですが、どうにも具体的な内容がつかめずその分別管理の実態が不安です。
サポート体制
電話、FAX、メール、ライブチャット、問い合わせフォーム、更にはLineまで用意されています。
またこちらから通常の連絡ができるものではありませんが、上記の他にはFacebook、インスタグラム、YouTubeといった媒体による情報発信を行っております。
Milton Marketsのセールスポイント
出典:Milton Markets
上記ではMilton Marketsの過去についてや信頼性・安全性における懸念事項を説明しましたが、冷静にチェックしてみますとセールスポイントとなる事柄も存在していますので、ここで取り上げておきます。
「最大レバレッジ800倍」
余裕資金が少なくてもMilton Marketsではある程度のポジションを建てることが可能です。
例えば米ドル/円が100円の時、10万通貨のポジションでエントリーするにも12,500円の証拠金で済んでしまいます。
「プレミアム口座のスプレッド・手数料が有利」
これは他の海外FX業者とも勝負できるほどの有利な水準です。
とにかくスプレッドが狭く、取引手数料が安いです。攻め重視・自動売買中心のトレードスタイルにおいてはとても懐にやさしい口座となっています。
「悪くは無いトレード環境」
取引プラットフォームはMT4のみですが、VPSシステム、エクイニクス制サーバーの導入により高速で軽快なトレードが可能となっています(詳細は後述)。
「分かりやすく自然な日本語」
海外FX業者のウェブサイトは、その日本語の説明が流暢でないケースが散見され時に分かりにくい場合がありますが、Milton Marketsは全体的に自然で読みやすい日本語説明がなされております。
取引口座やプラットフォーム
出典:Milton Markets
取引口座
Milton Marketsでは「スタンダード口座」、「プレミアム口座」の2種類の口座が用意されています。
仕様が異なる複数の口座を提供しそのメリット・デメリットを理解するのに手間取ってしまう海外FX業者も珍しくない中では、非常に分かりやすいものとなっています。
この2つの口座の大きな違いはスプレッド水準と手数料の有無が挙げられます。
スタンダード口座はスプレッドが広く不利であり、他の海外FX業者と比較しても広い方の部類に入ってきます。
一方プレミアム口座は国内FX並みにスプレッドが狭く設定されているのですが、取引手数料が発生してきます。
こういったパターンは多くの海外FX業者が取り入れている口座仕様で、Milton Marketsも一般的な形態を採っているものとなります。
ちなみに取引サイトの口座紹介ページにある執行方式「STP/DMA」とは、顧客からの注文を市場が提示する価格から最適なものを選びシステム処理する方式で、一般的にはその約定力が優れていることで知られています。
出典:Milton Markets
取引プラットフォーム
取引ツールはMT4のみとなっておりますが、VPS(バーチャルプライベートサーバー)の提供を行っております。
VPSは他の海外FX業者でも採用されているもので、約定の遅れが極めて少ないことや停電時などでも止まることなくEA(自動売買プログラム)を稼働させることができるといったメリットがあります。
出典:Milton Markets
実際の取扱いや保守管理状況を知ることはできませんが、VPSシステムはMilton Marketsが力をいれているサービスの1つとなっている存在です。
トレードに関わる各種スペック
出典:Milton Markets
レバレッジとロスカットレベル
最大レバレッジは800倍と海外FX業者の中では割と高い水準になっています。
海外FX業者で定番の入金ボーナスなどのサービスをほぼ行っていないので、やはりこのくらいの倍率はほしい所です。
しかしロスカットレベルが100%と高く、これは国内FXと変わりない水準であり強制決済の可能性が高まります。
これではせっかくの800倍というハイレバレッジを活かし切れないことにもなり、大きなポジションを使ったトレードに躊躇してしまうようにもなってきます。
通貨ペアとスプレッド
通貨ペアは46種類が用意されています。一般的なトレード状況においては十分と言えるものです。
スプレッド例
*変動あり
「スタンダード口座」
- USD/JPN・・・2.4
- EUR/JPN・・・2.9
- GBP/JPN・・・3.9
- AUD/JPN・・・3.6
- EUR/USD・・・1.8
「プレミアム口座」
- USD/JPN・・・0.3
- EUR/JPN・・・0.7
- GBP/JPN・・・1.5
- AUD/JPN・・・1.0
- EUR/USD・・・0.6
スタンダード口座のスプレッドは広く不利な水準です。
一方プレミアム口座の方においては、なかなか有利なスプレッド水準となっています。また取引手数料が片道0.4pips(10万通貨あたり)発生しますが、こちらも結構安い金額でありMilton Marketsの印象が変わるくらい良心的です。
約定力
Milton Marketsではニューヨークにある「エクイニクス」という会社のサーバーを使ったシステム処理を行っています。
同社はMilton Markets以外にも他の海外FX業者で採用されその処理性能が高く評価されており、同社の技術を使った注文処理という事であれば、その約定力はかなり優れたものとなってきます。
出典:Milton Markets
また顧客からの注文は「Citibank」、「Cantor Fitzgerald」といった大手金融機関へ直接送り込むことで取引業者の影響を排除した形で行われることから、上記エクイニクス社のシステムと合わせスムーズで快適なトレード状況となってきます。
注文処理状況に関しては、その約定力に対する批判や悪い噂等はあまりありません。
入出金方法
出典:Milton Markets
bitwallet
bitwalletは各種手数料が安く簡単に利用することができるので便利な送金方法です。
入金に要するスピードは、Milton Marketsの場合24時間以内ということで即時性に欠けるものではあります。また最低入金額が2万円となっており、他の海外FX業者よりは高い金額です。
入金・出金における手数料は無料です。
海外送金
bitwalletを利用することができればもはや無理して利用する必要はありませんが「海外送金」も可能です。
最低2万円からの入金で、出金に際しては2,400円の手数料がかかります。
最低出金額の決まりはありませんが上記手数料により現実的には最低3,000円程度から出金申請を行うことになってきます。
また海外送金は入出金とも3~5営業日かかり出金スピードが遅いという欠点もあります。
その他
昨今においては国際的なマネーロンダリング対策が強化の中にあり、取引のない口座への入出金は不正送金と見なされる可能性があることから、Milton Marketsに限らず他の海外FX業者でも同じような対策を取る所があります。
ボーナス
出典:Milton Markets
定期開催とまで呼べるボーナスやキャンペーン等はありません。
「過去のキャンペーン例」
出典:Milton Markets
上記ような入金ボーナスキャンペーンが断続的に開催されておりますが、最低入金額が20万円からと厳しいルールがあるのも事実です。
年末年始や季節要因等でキャンペーンが開催される傾向にあり、Milton Marketsのブログにて過去の開催状況を確認することができます。
デメリット
「営業年数が短いのに不祥事が目立つ」
長く営業を行っているような所であれば、時流の変化についていけなくなる等といった事態にいずれ遭遇するとしても、それは不自然なことではありません。
ところがMilton Marketsは(正確には先代が)営業開始間もない頃から経営難・出金拒否・倒産といった事態を引き起こしており、自然災害等の要因ではないこういった不祥事の発生に対しては、大きな不信感が募るのは否めないことです。
「ライセンスが無い」
ライセンスを一切持たない海外FX業者が他にも存在するのは確かなのですが、やはり無認可の業者というのは特に不測の事態が発生した際にどういった行動を取るのかが心配されます。
またこれは、上記不祥事等過去の事実と合わせますとより恐ろしく感じられるものとなってきます。
「独自システム等が少ない・経費がかけられていない」
取引プラットフォームはMT4のみ、bitwallet中心の入出金方法(カード等は加盟料・手数料が別途Milton Marketsにかかる)、簡素な造りのウェブサイトなど、全体的にオリジナリティに欠ける所や経費がそれほど多くかかっていない状況を伺うことができます。
口座の種類が少ないのも維持管理費用を抑えるためかもしれません。
トップページ左側にある「教育センター」も名ばかりで他の海外FX業者のような様々な相場分析ツールなどがあるわけではありません。
従ってもしMilton Marketsに冒頭で挙げた不祥事が無かったとしても、そのトレードにおいては攻めるのに強くても守りに弱い海外FX業者となってくるのです。
まとめ
出典:Milton Markets
デメリットの最後の所をもう少し補足しますと、これは他の分野の企業や、家庭、個人などにも同じことが言えるもので、色んな意味で余裕の無い状況とは、その弱点となる部分にお金や時間をかけるゆとりが段々と少なくなっていくものです。
たとえば様々な事業を手掛けてきた大企業であっても景気が悪くなったり売上が悪化していった場合、採算が取れない事業や部門を切り離し、頼りとなる部分に方針や予算を注力していくことが珍しくありません。
Milton Marketsにおいてはサービス開始以来、割と早い段階からこういった状況に陥っている事となり、Milton Marketsが本来描いていた(であろう)理想像が現実となるにはまだまだ時間がかかりそうです。
「おすすめの海外FX業者」
Milton Marketsの海外FX口座スペック
人気ランキング | 19位 | 19位 |
海外FX業者名 | ![]() MiltonMarkets | ![]() MiltonMarkets |
口座の種類 | スタンダード口座/STP | プレミアム口座/STP |
取引手数料 (片道) | 無料 | 4ドル |
取引手数料 (pips換算:片道) | 0.00 | 0.40 |
スプレッド種類 | 変動 | 変動 |
最小スプレッド 米ドル/円 | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド ユーロ/円 | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド 英ポンド/円 | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド 豪ドル/円 | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド カナダドル/円 | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド ユーロ/米ドル | 1.50 | 0.10 |
最小スプレッド 豪ドル/米ドル | 1.50 | 0.10 |
平均スプレッド 米ドル/円 | 0.20 | |
平均スプレッド ユーロ/円 | 0.50 | |
平均スプレッド 英ポンド/円 | 1.22 | |
平均スプレッド 豪ドル/円 | 0.68 | |
平均スプレッド カナダドル/円 | 0.77 | |
平均スプレッド ユーロ/米ドル | 0.20 | |
平均スプレッド 豪ドル/米ドル | 0.40 | |
トレードコスト合計(最小) 米ドル/円 取引手数料(往復) +スプレッド(最小) | 1.50 | 0.90 |
トレードコスト合計(平均) 米ドル/円 取引手数料(往復) +スプレッド(平均) | 1.00 | |
最大レバレッジ | 800倍 | 800倍 |
約定力 | 無料VPSサーバーなら、1ミリセカンド以内の注文執行 45以上の通貨ペアにおいて平均的な約定時間が3ミリセカンド | 無料VPSサーバーなら、1ミリセカンド以内の注文執行 45以上の通貨ペアにおいて平均的な約定時間が0.03秒 |
約定スピード/秒 | ||
約定スピード(最高)/秒 | 0.030秒 | 0.030秒 |
約定スピード(最低)/秒 | ||
執行率/% | ||
最大保有ポジション | 200ポジション | 200ポジション |
ロット数 | 1ロット=100,000通貨 | 1ロット=100,000通貨 |
最小取引サイズ | 0.01ロット | 0.01ロット |
最低取引通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
最低入金額 | 2万円相当 | 2万円相当 |
信託保全 分別管理 | 分別保管 | 分別保管 |
提携リクイディティプロバイダー | Citibank,Cantor Fitzgerald | Citibank,Cantor Fitzgerald |
ロスカットレベル証拠金維持率 | 100%以下 | 100%以下 |
マージンコール証拠金維持率 | - | - |
取引時間 | 日本時間(夏):(月) 午前 6:00 ~ (土)午前 6:00 日本時間(冬):(月) 午前 7:00 ~ (土)午前 7:00 冬時間GMT+2、夏時間GMT+3 | 日本時間(夏):(月) 午前 6:00 ~ (土)午前 6:00 日本時間(冬):(月) 午前 7:00 ~ (土)午前 7:00 冬時間GMT+2、夏時間GMT+3 |
ロールオーバー時刻 | GMT22:00 | GMT22:00 |
取引システム | MT4 MT4ウェブトレーダー | MT4 MT4ウェブトレーダー |
スマホ対応 | ○MT4 | ○MT4 |
システムトレード | ○MT4/SuperTrader | ○MT4/SuperTrader |
ソーシャルトレード コピートレード | - | - |
無料VPS | ○ 500ドル以上入金 月1ロット以上取引 | ○ 500ドル以上入金 月1ロット以上取引 |
通貨ペア数 | 46通貨ペア | 46通貨ペア |
口座通貨 | JPY,USD,EUR | JPY,USD,EUR |
デモ口座 | ○ | ○ |
円口座 | ○ | ○ |
CFD | 株式指数CFD:11 貴金属:2 資源:3 | 株式指数CFD:11 貴金属:2 資源:3 |
追証ゼロ | ○ | ○ |
両建て取引 | ○ | ○ |
スキャルピング | ○ | ○ |
MAM/PAMM口座 | - | - |
ボーナス | ||
ポイントプログラム | - | - |
トレードコンテスト | - | - |
入金方法 国内銀行送金 | ○ 1営業日 2万円以上手数料無料 | ○ 1営業日 2万円以上手数料無料 |
入金方法 海外銀行送金 | ○ 3~5営業日 2万円以上 手数料無料 | ○ 3~5営業日 2万円以上 手数料無料 |
入金方法 クレジットカード (デビットカード) | ○ VISA MasterCard 即時反映 手数料無料 | ○ VISA MasterCard 即時反映 手数料無料 |
入金方法 国際決済サービス | - | - |
出金方法 海外銀行送金 | ○ 3~5営業日 | ○ 3~5営業日 |
出金方法 クレジットカード (デビットカード) | ○ VISA MasterCard 手数料無料 | ○ VISA MasterCard 手数料無料 |
出金方法 国際決済サービス | - | - |
設立 | 2016年 | 2016年 |
本社のある国 | アメリカ | アメリカ |
金融ライセンス | - | - |
社員数 | - | - |
日本人スタッフ | 複数名 | 複数名 |
日本語対応 | ウェブサイト○ 取引システム○ サポート○ スタッフ○ | ウェブサイト○ 取引システム○ サポート○ スタッフ○ |
サポート対応時間 | 週5日24時間 | 週5日24時間 |
教育コンテンツ | ビデオ 電子ブック | ビデオ 電子ブック |
取引ツール | シグナル | シグナル |
口座開設 | MiltonMarkets口座開設はこちら | MiltonMarkets口座開設はこちら |
STP/ECN | STP | STP |
最低入金額 | 20,000 | 20,000 |
証拠金維持率 | 100% | 100% |
最大レバレッジ | 800倍 | 800倍 |
1万通貨に必要な証拠金 | 1,250円 | 1,250円 |
10万通貨に必要な証拠金 | 12,500円 | 12,500円 |
1万通貨取引時の最大許容損失額 | 98,750円 | 98,750円 |
10万通貨取引時の最大許容損失額 | 87,500円 | 87,500円 |
1万通貨最大許容損失pips | 987.5pips | 987.5pips |
10万通貨最大許容損失pips | 87.5pips | 87.5pips |
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