海外FXにおけるロスカットルールの実態は?資産状況の推移とロスカットレベルの関係についても解説します。

国内FXと同じく海外FXにおきましても「ロスカットルール」が存在します。

FXはレバレッジをかけることで少ない資金で大きなポジションのトレードができますが、ハイレバレッジトレードが可能な海外FXにおいては、大きな損失発生の可能性を常に考慮しなければなりません。

逆行ポジションをいつも適切に損切りできるのであればロスカットのことを心配するまでもありませんが、金銭的な欲やメンタルがトレーダーの行動に大きな影響を及ぼすFXにおいては、やはりあらゆるケースを想定しておく事が大切です。

そこで本ページにて、海外FXにおけるロスカットルールの一般的な傾向やそこから得られるメリットや注意事項、相場が下落した際における資金管理状況の変化などについてお話ししていきます。

海外FX業者はロスカットレベルが低いのが特徴

海外FXにおけるロスカットは、国内FXと基本的なルールは同じで、口座の証拠金維持率がロスカットレベルに達した時に対象ポジションが強制決済されるというものです。

ロスカットレベルは国内FXにおいては大体100~80%程度の取引業者が多いですが、海外FXの場合国内と比べロスカットレベルがかなり低いのが特徴です。

「海外FXにおけるマージンコールとロスカットの執行率(例)

海外FX業者名マージンコールロスカット
XM50%20%
Axiory50%20%
LandFX50%30%
Titan90%20%
HotForex50%20%
HotForex(マイクロ口座)40%10%
FxPro50%20-30%
GEMFOREX50%20%
Bigboss50%20%
Bigboss(仮想通貨ECN口座)300%200%

上記リストの通り、一部を除き20%前後としている業者が多いです。

またマージンコールは、こちらも国内FXとその役割は同じで、証拠金維持率がこのレベルに達すると取引業者から警告が出され、ポジション調整を行うか口座に追加入金するなどして警告を解除させる流れとなります。

実はロスカットは証拠金維持率がそのレベルに達したら即実行とはならず、取引業者にもよりますが執行レベルに到達後、規定時間内(60分など)に以下のような回避行動をとることでロスカットが見送りとなる場合があります。

「証拠金維持率をアップさせロスカットを回避するための作業」

  • ポジションサイズを減らす
  • 口座へ追加入金する

マージンコール・ロスカット、できればいずれのお世話にもなりたくはないものです。基本的には含み損が発生したら早めの損切りが一番です。

出典:Axiory

(ロスカット手順の説明)

ロスカットレベルが低いことのメリット

現実にはなかなか損切りができないことがあるのもFXです。評価損失が大きいポジションの保有中は気分がハラハラしっぱなしであります。

ただせっかくの海外FXですので、ここではその低いロスカットレベルにどんなメリットがあるのかをお話ししてみます。

「低ロスカット率のメリット」

  • 最後のギリギリまで勝負ができる・ロスカットになりにくい
  • スワップポイントが稼げる

最後のギリギリまで勝負ができる・ロスカットになりにくい

ポジションを決済せず時間をじっくりかけていけば、レート変動により含み損の額も様々に変化します。

それまでマイナス10万円だったところがマイナス8万、5万、7万、2万・・・といった具合に「適正な損失額」というものがもはや存在しないのではないかという見方が的を得た所となってきます。

時には含み損が順調に解消されていき、ついにはポジションがプラスとなるような結果も起こり得ます。ロスカットレベルが低いことは勝率アップに繋がっていく場合があるということです。

国内FXにおいては海外FXより高いロスカットレベルによって、確定損となる機会が増えてくることとなり、上記のような逆転勝利を望むことが難しくなってきます。

ただし、この低いロスカットレベルに頼ったトレードは、ポジションを相場動向に完全に委ねてしまうこととなるため、いつポジションに決着が付く(付ける)のかが分かりにくい所があります。

評価損失が軽めの所で損切りするのがベストか、プラスになるまで待つか、方針が決まらず結局ロスカットとなってしまうのか、取引画面を眺めている間は優柔不断になってしまうのも珍しくはありません。

スワップポイントが稼げる

これは主に買いポジションにおいてプラスのスワップポイントが付く場合ですが、マイナスポジションであってもロスカットされにくいことで、長期間に渡るポジションの保有により多くのスワップポイントが稼げるというものです。

注意する点としましては、スワップポイントを得ていてもトータル収支がマイナスとなっている期間が長いことや、様々な相場状況をクリアするため十分な口座資金が必要となることです。

また十分な資金については、現状より数円さらに逆行してもロスカットが適用されない額を目安とします。

つまり、この場合においてはもはや「少ない資金でトレードができる海外FX」といった前提が崩れた状態となっておりますので、海外FXに対する認識やトレード方法の転換などに迫られる可能性が出てきます。

忍耐が勝利を呼び寄せた例

これは簡単に真似できるものではありませんが、以前某巨大掲示板に書き込まれていた内容です。

リーマンショックの頃(2008年)において1ドル89円からロングでエントリーしたものの円高続きでポジションは常にマイナス。

そして70円台の時代を不遇に過ごし、アベノミクス(2013年)が登場してようやくポジションに含み益を出すことができたという話がありました。

約5年もの間、上記「最後のギリギリまで勝負ができる~」の状態を過ごしたことになります。またロングポジションですので、スワップポイントをかなり得ることができたと考えられます。

このようなトレードの仕方で成功するには「十分な口座資金」と「強いメンタル」が何よりも大事でありますが、リスクが大きいことや口座資金を他に回すことができないデメリットがあり、積極的に狙うべきではない手法であります。

ロスカットを避けられる条件

低ロスカットレベルによるメリットを挙げましたが、やはりそういった事態には陥りたくない!といった方でしたら、以下に挙げますようなロスカットにならないようにするためのルールをトレードに取り入れてみるのをおすすめします。

  1. 口座資金を豊富にする
  2. ポジションサイズは控え目に
  3. まめな損切り
  4. 週をまたいだポジションの保有を避ける
  5. 経済指標発表時はトレードしない
  6. クリスマス前・年末年始・各国市場休場日等はよく注意する

1.口座資金を豊富にする2.ポジションサイズは控え目に

上記2つの項目は、最終的には証拠金維持率を常に高めておくといった意味となります。

口座資金が十分にあれば、相対的に全資産における必要証拠金の「比率」が下がることとなり、ロスカット発動までの値幅を広げることができるようになります。また同時に証拠金維持率のアップともなります。

「口座資金ごとの証拠金維持率や全資産における証拠金割合など」

*1米ドル100円・レバレッジ200倍・5万通貨保有時の比較

口座資金5万円10万円
必要証拠金25,000円25,000円
証拠金維持率200%400%
必要証拠金の割合50%25%

3.まめな損切り

損失が大きくならないうちにポジションを決済する「損切り」はロスカット回避だけでなく、FXにおける安全な取引や収支向上のための基本アクションです。

4.週をまたいだポジションの保有を避ける

海外FXにおけるハイレバレッジの弊害が非常に高まるケースです。

週末に大きな事件等が発生すれば翌週のチャートに「窓」が出現しやすく、その「値飛び」が逆方向であればハイレバレッジと合わさることでロスカットレベルに容易に到達しやすくなります。

また事件発生という存在は時には際限のないエネルギーを持つものですので、全項目の中で一番注意が必要となってきます。

ポジションは金曜までに決済すること、及び新規エントリーは月曜以降から行うことがポイントです。

5.経済指標発表時はトレードしない

経済指標発表時に狙いが外れますと、ハイレバレッジからのロスカット適用は火を見るよりも明らかです。

またポジション保有中であればできるだけ発表前にポジションを決済しておくことも大切です。

6.クリスマス前・年末年始・各国市場休場日等はよく注意する

市場参加者の減少により一部の大口投資家が放った方向に相場が行きやすく、ポジション方向が逆であればここでもハイレバレッジ→ロスカットといった構図が成り立ちやすくなります。

この項目についてはロスカットとまではいかなくてもFXにおける基本的なリスク要因ですので、国内外を問わず細心の注意を払ってトレードすることが大切です。

ロスカットレベル・必要証拠金・損失額などの関係・試算

基本的な計算式

ロスカットにはそのロスカット執行率がある通り、証拠金維持率と密接な関係にあります。

そこで改めて、証拠金維持率などの計算方法をおさらいしてみますと次の通りとなります。

「証拠金維持率」

有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

  • 有効証拠金・・・変動する全資産額
  • 必要証拠金・・・ポジションの評価額(変動)

「必要証拠金」

通貨のレート × 通貨数(通貨単位) ÷ レバレッジ倍率

口座状況の変遷をシミュレート

ロスカットレベルについて、証拠金維持率を参考に実際のトレードにおいてはどういった働きをするようになるのかについて、シミュレーションを使って説明していきます。

シミュレーションは、レバレッジが異なる4つの口座で同じポジションを保有した状態を比較し、レートが下落していった際それぞれの口座がどういった状況となっていくのかを表示します。

「シミュレーションの条件」

  • レバレッジ(口座)の種類・・・25倍、500倍、888倍、3000倍
  • 口座資金額・・・4口座全て30万円
  • ポジション・・・4口座全て米ドル/円を100円の時に5万通貨で買いエントリー
  • ロスカットレベル・・・100%(25倍口座)、20%(その他ハイレバレッジ口座)

変遷1:ポジション取得時の口座の様子

レバ25レバ500レバ888レバ3000
必要証拠金200,000円10,000円5,630円1,666円
証拠金維持率150%3000%5328%18007%
ポジション損益0円0円0円0円
口座残高(有効証拠金)300,000円300,000円300,000円300,000円

上記がロングポジションを建てた瞬間の口座状況です。レバレッジ500倍以上の証拠金維持率がすさまじく高いのが分かります。

変遷2:レートが1ドル99円に下落した時の様子

レバ25レバ500レバ888レバ3000
必要証拠金198,000円9,900円5,574円1,650円
証拠金維持率126%2525%4485%15151%
ポジション損益-50,000円-50,000円-50,000円-50,000円
口座残高(有効証拠金)250,000円250,000円250,000円250,000円

収支の方は4つとも同じマイナス5万円の状態です。レバレッジ25倍は証拠金維持率がロスカット到達に近く危険な状態ですが、他の口座は最低でも2500倍ありロスカットレベルに程遠い状況です。

変遷3:レートが1ドル98円に下落した時の様子

レバ25レバ500レバ888レバ3000
必要証拠金196,000円9,800円5,518円1,633円
証拠金維持率102%2040%3624%12247%
ポジション損益-100,000円-100,000円-100,000円-100,000円
口座残高(有効証拠金)200,000円200,000円200,000円200,000円

全口座でマイナス10万円の評価損です。レバレッジ25倍は維持率が102%となりそろそろロスカット(100%)を迎えます。一方他の口座はレバレッジ500倍口座で維持率が2040%もあり、まだまだ強制決済という雰囲気ではありません。

低いロスカットレベルから言えること

証拠金維持率の高さからくる油断

上記3つのハイレバレッジ口座はその証拠金維持率において、2円の下落に対してもロスカットレベルである20%をはるかに上回っており、全く持ってロスカット執行の不安がありません。

しかし、それだけの事実で満足に喜ぶことができるものなのでしょうか?

ハイレバレッジ口座は低ロスカットレベルとセットになっておりますが、上の表にもある通り口座やポジションの損益はどの口座もマイナス10万円であり、これは25倍口座と同じです。

ハイレバレッジ口座はこの後さらに下落してもまだまだ維持率が優秀なままキープし続けますが、ロスカットレベルの20%付近に来る頃にはほとんどの口座資金が評価損の状態となります。

そして、その状態で急激な下落が発生すれば口座資金がゼロにまでなり、「追証ゼロ」サービスの登場となってきます。

低ロスカットレベルの存在は?

海外FXはハイレバレッジにより少ない資金で大きなポジションを建てることが可能です。

しかしその低資金の状態で急激な相場変動が起きた時には、短時間で口座資金の多くがマイナスとなっていきます。

この場合、もはや証拠金維持率を計算する意義が薄れ、たとえロスカットレベルが低かったとしてもその状況に大きな変わりはありません。

先ほどの口座状況の変遷の通り、高い証拠金維持率であっても損失計算は別の問題となっております。

逆にそのロスカットレベルの低さを営業宣伝の材料として使う業者側にはメリットがあります。

また海外FX特有の「追証ゼロ」サービスは、そのような中でロスカットよりもシンプルなルールでその実行が歯切れ良く、ロスカットに代わる最終決済手段といった意義があります。

海外FXブローカーであるiFOREXはその最たる存在で、ロスカットそのものが無く「追証ゼロ・口座資金全損」で強制決済を実行するようにしております。

出典:iFOREX

損益計算にロスカットレベルは無関係でありますが、先ほどの低ロスカットレベルのメリットでお話ししたような、勝率アップやレートの再浮上をロスカットレベルの低さに期待することは可能です。

まとめ

ロスカットレベルの低さは国内業者には真似することのできない海外FXの大きな特徴の1つです。

トレーダーに有利に働いてくれる場合もありますが、証拠金維持率やポジションの損益変化の観点を元に、その優位性やリスクについてよく検討した上で関わっていく事が大切です。

以下に今回の内容について整理しておきます。

  • 海外FXはロスカットレベルが低い
  • 決済されにくいメリット等を活かすには十分な口座資金と強いメンタルが必須
  • ロスカットを避けるトレードルールの作成もFXでは大切
  • ロスカットされにくくても口座資金の低下に注意
  • 相場状況の急変とハイレバレッジにより低ロスカットレベルが有効に活かされない可能性がある

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