出典(トップ画像):Spotware Systems Ltd.
海外FXのトレードツール「cTrader」について、海外FXやcTrader初心者の方に向け最も基本的な5種類のテクニカルツールの使い方を紹介します。
cTraderは基本的に海外FXの経験がまだ浅い方でもその取扱い方が比較的簡単な取引ツールです。
特にテクニカルツールについては国内FXの経験があれば、似たような部分が多い事にすぐ気が付くのではないかと思われます。
ただ国内と海外とでは若干異なる面も存在しますので、本ページ等でそういった項目や注意すべき点を頭に入れスムーズにトレードに移行できるよう体制を整えておく事が望ましいです。
「今回取り上げるcTraderのテクニカルツール」
- 移動平均線
- トレンドライン
- MACD
- RSI
- 一目均衡表
*関連記事
cTraderに搭載された数多くのテクニカルツール
まずはcTraderにおけるテクニカルツール(インジケーター)の概要を説明します。
cTraderには合計78種類もの基本的なツールが収録されています(2019年5月現在)。
「cTraderで利用できるテクニカルツール」
*カテゴリー別インジケーター数(計58種類)
- トレンド・・・10
- オシレーター・・・19
- ボラティリティ・・・11
- 取引数量・・・10
- その他・・・8
*オブジェクト系ツール(計20種類)
- トレンドライン、水平線、垂直線、斜線
- 等距離プライスチャンネル(平行線)
- アンドリュー・ピッチフォーク(3ラインの平行線)
- フィボナッチ、フィボナッチ・ファン、フィボナッチ・エクスパンション
- 長方形、楕円形、三角形
- 上方矢印、下方矢印、円、正方形、ひし形、星、上方三角形、下方三角形
またこの他にcTraderのコミュニティサイトにおいては、世界中のトレーダーが投稿したオリジナルインジケーターがあり、それを加えますとツールの種類は膨大なものとなります。
しかしまずは、cTraderの利用経験が浅かったり全く経験が無いトレーダーであれば、これより紹介します5種類の基本的なツールに目を通していく事がベストです。
国内FXで既に取引している方や海外FXで定番のMT4を経験してきた方であれば、それほど力むことなくcTraderを使いこなせるようになっていきます。
移動平均線(Moving Average)
出典:Axiory
移動平均線の主なパラメーター
出典:Axiory
- インディケーター・・・インディケーターの選択(基本的には操作しません)
- Periods・・・期間の設定
- ライン・・・ラインの柄・太さ・色の設定
「主な移動平均線の種類」
- Simple Moving Average・・・単純移動平均線
- Exponential Moving Average・・・指数移動平均線
- Weighted Moving Average・・・加重移動平均線
各種操作方法
表示方法
「方法1」
チャート上で右クリック
↓
インディケーター
↓
トレンド
↓
( )Moving Averageをクリック
↓
パラメーターを調整しOKをクリック
*( )には移動平均線の種類(名称)が入ります。
出典:Axiory
「方法2」
チャート左側の「f」アイコンにマウスポインターをかざす
↓
トレンド
↓
以下方法1と同じ
出典:Axiory
表示中のツールのパラメーター変更方法
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にてパラメーターを調整
削除方法
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にて「ライン」という項目にあるチェックをクリックしてはずす
↓
OKをクリック
実際の使い心地
移動平均線を表示させる際の注意点
新規で表示させるのは非常に簡単ですが、国内FXのように自動的に複数のラインが表示されるわけではありません。
一回の実行につき1本のラインしか表示されませんので、毎回パラメーターを変更しながら複数回実行する必要があります。
なお、複数回の実行にあたっては後でラインの見分けがつくように期間のみならず色や太さなど視覚的な調整も必ず行うようにします。
また1本1本追加して表示させる仕組みから、毎回の実行において移動平均線の種類までも変更する事で、SMAとEMAを混合して表示させるといった特殊なやり方も可能となっています。
ラインを選択しているかどうかが非常に分かりやすい
新規ライン表示後に編集を行う場合、マウスポインターをラインにかぶせますとラインが太く変化します。
「通常のライン」
出典:Axiory
「選択中のライン」
出典:Axiory
任意のラインをしっかり選んでいることが一目で分かりますので大変便利です。
これは移動平均線だけではなく、トレンドラインやMACD、ボリンジャーバンドなどcTraderに搭載されているほとんどのツールがこのようになっています。
トレンドライン
出典:Axiory
トレンドラインの主なパラメーター
出典:Axiory
- ラインの柄・色の変更
- Extend to Infinity・・・ラインを未来の方向へ画面右端まで延長させるかどうか
各種操作方法
表示方法
画面右側にある「/」にポインターをかざす
↓
「トレンドライン」をクリック
↓
チャート上でクリック&ドラッグしてラインを作成
出典:Axiory
表示中のツールのパラメーター変更方法
ライン上で右クリック
↓
パラメーター等を変更しOKをクリック
表示場所・角度の変更
「表示場所を変える方法」
ライン中央付近にポインターをあて選択状態にしてから任意の方向へドラッグします。
この時、ポインターは十字形に表示されている状態となります。
「角度を変える方法」
ラインをクリック後、ライン両端が「点」となっている事を確認しながら、その点をドラッグする形で角度を変えます(ポインターは通常の状態)。
削除方法
ライン上で右クリック
↓
編集画面にて「削除」をクリック
実際の使い心地
トレンドラインも移動平均線と同じく作成の仕方は非常に簡単です。
ラインの移動や角度の変更もかなり感覚的に行うことができ、こうして言葉で説明を受けるまでもなく実際にやってみた方が早いです。
MT4でトレンドラインの作成経験がある方であれば、このcTraderの操作性に驚くことでしょう。
「Extend to Infinity」とは、既存のラインを画面右端まで伸ばす機能で、とりあえず新規作成は適度な長さで完了させ、後でこの機能をオンにして延長する手間を軽減させるといった使い方があります。
「水平線」や「垂直線」も同じトレンドラインの仲間として画面右側にある「/」アイコンから作成します。
このことから、アイコンはいつも「/」になっているのではなく、一番最後に作成したツールのアイコンに刻々と変化しますので、慌てる事のないよう覚えておきましょう。
MACD Crossover、MACD Histogram
出典:Axiory
MACDの主なパラメーター
出典:Axiory
- Long Cycle・・・長期(国内FXでは期間2)
- Short Cycle・・・短期(国内FXでは期間1)
- Signal Periods・・・シグナル
- 柄・色(ラインの表示設定)
各種操作方法
表示方法
「方法1」
チャート上で右クリック
↓
インディケーター
↓
オシレーター
↓
MACD Crossover(MACD Histogram)をクリック
↓
パラメーターを調整しOKをクリック
「方法2」
チャート左側の「f」アイコンにマウスポインターをかざす
↓
オシレーター
↓
以下方法1と同じ
表示中のツールのパラメーター変更方法
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にてパラメーターを調整
削除方法
「方法1」
表示エリアの右上にある「×」をクリック
「方法2」
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にて「ライン」という項目にあるチェックをクリックしてはずす
↓
OKをクリック
実際の使い心地
2種類のMACD
cTraderにはMACDが2種類存在しますが、Crossoverの方は国内FXと同様2本線とヒストグラムで構成され、HistogramはMT4と同じタイプ(ヒストグラム及びラインが1本(シグナル))となっています。
またHistogramの方はその名の通りヒストグラムの出力に特徴があり、レートが天井・底付近となっている際にCrossoverと比べヒストグラム表示がやや強調されるように調整されています。
出典:Axiory
(上段:Crossover、下段:Histogram)
国内FXでCrossover型に慣れ親しんできたのでしたらそのままCrossoverを利用すればOKです。
MACDはFXにおいては移動平均線などと並ぶメジャーなテクニカルツールです。
cTraderにおける初期設定も国内FXと同じような数値になっている事から、まずは各種パラメーターは変更せず利用してみるのをおすすめします。
オブジェクトリストから削除する方法
削除方法は上記で説明した方法以外にも存在していて、MACDのみならず実は他のツールも同じ方法を採ることが可能です。
cTraderの右クリックメニューの1つに「オブジェクトリスト」というものがあり、ここからあらゆるツールを削除することができます。
「オブジェクトリストを経由した削除方法」
チャート上で右クリック
↓
オブジェクトリストにポインターをあてる
↓
現在使用しているツール一覧が出現
↓
ツール名右側の「×」か「すべて削除」をクリックして削除
出典:Axiory
これは全てのテクニカルツールで実行可能であり、しかも非常に簡単な操作で済みますのでおすすめです。
RSI(Relative Strength Index)
出典:Axiory
RSIの主なパラメーター
出典:Axiory
- Periods・・・期間(中期のみ)
各種操作方法
表示方法
「方法1」
チャート上で右クリック
↓
インディケーター
↓
オシレーター
↓
「Relative Strength Index」をクリック
↓
パラメーターを調整しOKをクリック
「方法2」
チャート左側の「f」アイコンにマウスポインターをかざす
↓
オシレーター
↓
以下方法1と同じ
表示中のツールのパラメーター変更方法
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にてパラメーターを調整
レベルの追加方法
編集画面にて「Add Level」をクリックし任意のレベル(追加直後は0)を入力。
*最後に「OK」をクリックしなくてもレベルは追加されます。
削除方法
表示エリアの右上にある「×」をクリック
「その他の削除方法」
MACDと同じ。
実際の使い心地
cTraderにおけるRSIは設定項目が少ないこともあり、非常に簡単に利用することができます。
ただし国内FXのようにRSI1(短期)やRSI3(長期)といったパラメーターは無く、cTraderでは中期線のみしか表示させることができません。
MT4の場合は既存の表示エリアにラインを追加して複数ラインの表示が可能なのですが、cTraderではこういった事が行えないのです。
次の画像のように別々のRSIを並列させるといった事ならできるのですが、これでは使い勝手が非常に悪いものです。
出典:Axiory
(期間は上段から9、14、26)
世界中の多くのトレーダーがMT4を利用し、人によっては複数のラインで分析を行っている中で、cTraderのRSIにおいては中期線だけで相場判断をしなければなりません。
一方、RSIをよく利用する世界中のトレーダーの中で単一ライン派と複数ライン派がどれくらいの割合で存在しているのかは定かではありません。
従ってcTraderのRSIは、cTrader自体そのユーザー数が多くはない中、そのサインの有効性がどこまで信用の置けるものなのか非常に不明瞭となってきます。
この場合、サインの十分な検証を行うことや、他のテクニカル指標との併用でRSIを利用するのが望ましいです。
一目均衡表(Ichimoku Kinko Hyo)
出典:Axiory
一目均衡表の主なパラメーター
出典:Axiory
- 転換線(Tenkan Sen Periods)
- 基準線(Kijun Sen Periods)
- 先行スパンB(Senkou Span B Periods)
各種操作方法
表示方法
「方法1」
チャート上で右クリック
↓
インディケーター
↓
その他
↓
「Ichimoku Kinko Hyo」をクリック
↓
パラメーターを調整しOKをクリック
「方法2」
チャート左側の「f」アイコンにマウスポインターをかざす
↓
その他
↓
以下方法1と同じ
表示中のツールのパラメーター変更方法
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にてパラメーターを調整
削除方法
「方法1」
チャート上で右クリック
↓
オブジェクトリストにポインターをあてる
↓
現在使用しているツール一覧が出現
↓
ツール名右側の「×」か「すべて削除」をクリックして削除
「方法2」
ライン上にポインターをあてて右クリック
↓
表示される編集画面にて「ライン」という項目にあるチェック(5つ)をクリックしてはずす
↓
OKをクリック
実際の使い心地
国内FXのもと同じ感覚で利用することができます。
調整可能なパラメーターの種類が国内のものやMT4と同じであることから、東京時間からニューヨーク時間までにおけるサインの有効性の検証が有意義なものとなりやすい傾向があります。
また削除するやり方については、MACDの時と同じくオブジェクトリストから一気に削除するのが非常に簡単です。
収録カテゴリーに注意
少し注意することとしては、cTraderでは一目均衡表は「その他」カテゴリーに納められている事です。
MT4では「トレンド」、国内FXですと「トレンド」や「メイン指標」といったグループに入っています。
まとめ
出典:Axiory
cTraderのテクニカルツールは、国内FXをある程度経験しているトレーダーであればすぐに使いこなすことができるものばかりです。
ただ一応、テクニカルツールはそのサインの方が相場より先にあると認識するのではなく、どういったサインが多くのトレーダーに意識されやすいかを常に考えて利用することが大切です。
現状においてはMT4が海外トレーダーを中心に大きく幅を利かせていますので、やはりある程度はMT4のインジケーターの実情や運用状況等について考えてみることも大切です。
*MT4関連記事:
*cTrader関連記事:
コメントを残す