出典(トップ画像):Axiory
海外FXの取引ツール「cTrader」は初心者でもトレード等の各種操作を簡単に行うことができますが、中でも「右クリックメニュー」が非常に便利であることを知ってますでしょうか?
チャート上で右クリックしますと様々な操作メニューが出てきますが、通貨ペアの変更からインディケーターの追加・削除、ワンクリックで指値注文など実に様々なことが行えます。
MT4を始めとする海外製のFXツールは、特に最初は見慣れない構成や独特な雰囲気により操作がしにくくアレコレ迷いながら相場分析やトレードをしてしまいがちです。
ですがcTraderはツール自体も扱いやすいのですが、今回お届けする右クリックメニューは更に「かゆい所に手が届く」といった感じの存在であり、取引の軽快感・直感性は多くの方の想像を超えるものだと思われます。
そこで本ページでは海外FX初心者を対象に、cTraderの右クリックから実行できる数々の操作方法について解説していきます。
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cTraderの「右クリックメニュー」
まずはcTraderに用意されている右クリックメニューのリストをご覧になってください。
出典:Axiory
「右クリックメニューリスト」
- 新規注文
- 指値
- 逆指値
- ストップ・リミット
- アラート通知 売値
- アラート通知 買値
- 通貨ペア
- チャートを切り離して表示
- テンプレート
- チャートタイプ
- 時間足
- 拡大(縮小)
- チャート上に表示
- インディケーター
- 背色設定
- オブジェクトリスト
- 背景配色
- チャート撮影
- 更新
見ていただけると分かりますように、非常に多くのメニューが備えられています。
ただ上記のメニューをよく見ますと、自動売買システムやテクニカルツールのプログラムレベルでの調整(cBots)などは行うことができません。
またcTraderの画面上部は「ツールバー」と呼べるほど多くのメニューが施されていないといった特徴があります。
これは、全てではないにしても多くの操作を右クリックメニューから行うことを想定してcTraderが開発されたかのような作りであり、同時に誰でも手軽にトレードしてもらおうという開発者側の姿勢が覗えます。
そして本ページでもやはりスキャルピングを中心とした、すぐにトレードに活かせる操作メニューを中心にcTraderの右クリックメニューを紹介していきます。
注文処理
成行注文
右クリックメニューのトップに新規注文メニューがあります。
ただし注文数量がすでに決まっていたり最速なトレードを行いたい場合は、チャート上方にあるレートボタンをクリックする方が早いです。
指値注文
チャート上で右クリックしますと「・・・で売り/買い指値」といったメニューが表れます。
「・・・」の部分はポインターがあたっているレートです。
出典:Axiory
売り/買いの振り分けは以下の通りです。
- ポインターが現在レートより上・・・売りの指値
- ポインターが現在レートより下・・・買いの指値
指値注文といいますと通常であれば注文画面から価格を入力しなければなりませんが、cTraderの右クリックメニューではポインターをかざすだけで価格が指定されそのまま注文ができてしまいます。
ただし右クリックメニューから数量を指定することはできません。
数量を調整するにはチャート上方にあるレート表示部分で数値を入力します。
出典:Axiory
(中央の30Kは3万通貨の意味)
また注文後はチャートの注文価格上に水平のラインが表示されます。
逆指値・ストップ・リミット
逆指値は指値注文と同じ要領で注文をかけることができます。
現在レートに注意しながらポインターをあてて右クリックしてみてください。
ストップ(損切り)・リミット(利食い)については1発で注文が完了せず、次に出現する注文詳細画面を経てから実行されます。
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アラート通知
これも右クリックメニューから設定できます。
通常であれば別途メニューを展開し正確な数値を入力するなど、アラートの設定は面倒です。
しかしcTraderでは上記の指値注文と同じ要領で右クリックからとても簡単に設定ができるのです。
ただワンクリックで設定完了とはならず、右クリックメニューから選択した後に編集画面が出てきますので、そこで詳細を詰めていくこととなります。
チャート操作
出典:Axiory
通貨ペアの変更
右クリックメニューから瞬時にチャート上の通貨ペアを変更することができます。
通貨はもちろん株価指数・天然資源などのCFD商品も対象です。
時間足の変更
26種類にものぼる時間足を右クリックメニューから変更することができます。
「cTraderで利用できる時間足」
- 1分足、2分足、3分足、4分足、5分足 、6分足、7分足
- 8分足、9分足、10分足、15分足、20分足、30分足、45分足
- 1時間足 、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足
- 1日足、2日足、3日足、週足 、月足
時間足の変更はチャート左側にあるアイコンからも行えますが、アイコンにはここまで多くの種類は用意されていません。
ただ右クリックメニューに納められているものは、7分足や3時間足、2日足といったちょっとマニアックなものが多いのも事実です。
従ってこれらの珍しい時間足は、実戦的な使い方というよりは時間をかけて相場分析をしたい場合や、よほどの攻略手法を試みるといった使い方になってきます。
チャートタイプ
バーチャート、ローソク足チャート、ラインチャート、ドットチャートを選択することができます。
テンプレート
これは移動平均線やMACDなどのテクニカルツールの表示設定をテンプレートとして保存できるものです。
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チャート上でツール類の装着が完了したら独自の名前を付けて保存・再表示させる事ができます。
また保存したテンプレートは、別のチャートで再表示させることが可能です。
チャートを切り離して表示
チャートを別ウィンドウで表示させるものです。
出典:Axiory
上の画像では便宜上控えめの大きさにしていますが、チャートのみを別枠で大きく表示(最大化)させ徹底的に通貨ペアを分析することができます。
またこの切り離したウィンドウを右クリックしますと「チャートを元に戻す。」というメニューもあり、これもまた右クリックから元に戻せるわけです。
背色設定
ローソク足の各種要素、ポジションや指値を表示するライン、グリッドなどチャート上の視覚的な物体の色を変更するメニューです。
出典:Axiory
「配色設定?」が正確な日本語訳なのかもしれませんが、ウィンドウ画面をくまなく探さなくても右クリックメニューにこういったメニューが用意されています。
また「背景配色」というメニューもありますが、こちらはチャート画面の背景がカスタマイズできるもので、自分で用意した写真や画像を背景に設定することができます。
好きなミュージシャンの写真や動物の画像を背景にするのもいいですし、もしくは厳しいトレードルールを記載したテキストファイルを表示させ自分を律して取引を行うといった使い方もおすすめです!
チャート上に表示
これはチャート上に様々な情報を載せることができる機能です。
出典:Axiory
「チャート上に表示」では何の事だかよく分かりませんが、ここで以下に便利そうなメニューをピックアップしてみます。
売値ライン、買値ライン
標準ではチャート上にその時々のレートを指し示す水平ラインが表示されています。
出典:Axiory
しかし意外とこのラインが邪魔に感じる場合があり、右クリックのこのメニューから表示・非表示を切り替えることができます。
またPCのスペックによっては重要指標発表時などレート変動が激しい場合に両ラインがうまく表示されないことがあるかもしれませんし、その結果誤った判断を下すことにも繋がります。
そういった場合ではやはりこのメニューからラインを非表示にしておくことが賢明です。
ポジション
通常はこの機能により、保有中のポジションがどのレートにあるのかが水平ラインによって表示されます。
現在レートとポジションとの差を視覚的にチェックすることができ非常に便利です。
さらに、ラインの左側に決済ボタン(×)等までありそのまま約定や数量倍増といった事ができてしまいます。
出典:Axiory
グリッド、ピリオド・セパレータ(区切り線)
グリッドはグリッド線とも呼ばれ、チャートの背景にある格子状の交差したラインです。
ピリオド・セパレータは垂直方向に表示される期間区切りのラインです。
これらはトレーダーによっては不必要であったりチャートが見にくくなってしまう事にもなります。
cTraderでは簡単に右クリックメニューから表示のon/offを行うことができます。
インディケーター
出典:Axiory
テクニカルツールの追加
右クリックメニューでテクニカルツール(インディケーター)の追加が行えます。
出典:Axiory
国内FXのようにツールアイコンをクリックして追加する事もできるのですが、この右クリックメニューであればポインターがどこにあろうとテクニカルツールを素早く追加することができるのです。
オブジェクトリスト
すでに表示されているトレンドライン等のツールを右クリックメニューからパラメーター調整や削除ができるものです。
しかもオブジェクトリストと言いつつも移動平均線やMACDといったあらゆるインディケーターが対象となっています。
出典:Axiory
ただし編集ができるのはオブジェクト以外のツール(移動平均線やMACDなど)となっているのが不思議な所です。
なお削除の方は全てのツールで実行できます。
インディケーターの操作例
移動平均線の表示方法
チャート上を右クリックし「インディケーター⇒トレンド」をたどり「Simple Moving Average」(単純移動平均線)をクリックします。
すると編集画面が出てきますので、期間や色などを調整して追加します。
「削除方法1」
チャート上を右クリックし「オブジェクトリスト」をたどり、表示中のツール名の右側にある「×」をクリックします。
「削除方法2」
実際のラインの上を右クリックしますと編集画面が出てきますので、「ライン」という項目にあるチェックをはずし削除します。
MACDの表示方法
チャート上を右クリックし「インディケーター⇒オシレーター」をたどり「MACD Crossover」をクリックします。
そして編集画面より調整を行いMACDを表示させます。
「削除方法」
移動平均線と同じく右クリックメニューからオブジェクトリストを選択し削除する方法と、MACDのライン上から右クリックして編集画面を経て削除する方法があります。
ただ実はチャート下方に表示されるオシレーター系ツールは、表示エリアの右上にある×をクリックして削除するのが一番簡単です。
より高度なインディケーターを追加させたい場合
チャート上を右クリックし「インディケーター⇒他のインディケーター」をクリックします。
すると次のようなcTraderのコミュニティサイトにつながります。
出典:Spotware Systems Ltd.
このページにあるインディケーターは世界中のトレーダーがアップロードしたもので、500種類以上ものオリジナルインディケーターが集結しています。
cTraderをインストールしていれば海外FX業者を通じてここでアカウントが作成されています。
ただし日本語対応がなされておらず、的確にインディケーターを選択するのは難しいです。
まとめ
出典:Spotware Systems Ltd.
cTraderにおける右クリックメニューは、スキャルピングに特化した使い方であれば必要な操作をほぼ全て網羅した存在です。
海外FXで圧倒的な人気を誇るMT4でさえ右クリックメニューでここまでの操作をカバーしていません。
ただ残念ながらこの右クリックメニューでできないものとしては、ウォッチリスト(通貨ペアリスト)の編集、オブジェクトの追加、インディケーターのプログラムを自作・調整、自動売買関係の操作などがあります。
こういったものの操作は右クリックからではなくやはり腰を据えて作業を行いたいものです。
またcTraderは、特に注文に関係する操作において右クリックメニュー以外にも同じ操作内容となるアイコンやボタン等が数種類用意されています。
その時の状況や使い勝手、個人的な操作傾向に合わせ適宜使い分けていくこともアリです。
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